日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
術前CTで診断可能であった異物による大腸穿孔の2例
萩原 正弘青木 貴徳高橋 裕之北 健吾橋本 道紀稲葉 聡矢吹 英彦
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キーワード: 消化管異物, 大腸穿孔
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2013 年 33 巻 4 号 p. 777-780

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抄録

要旨:症例1は37歳男性。腹痛,腹部膨満感,下痢を主訴に当院受診。下腹部に圧痛,反跳痛,筋性防御を認めた。腹部CTで骨盤部の小腸の限局性壁肥厚と直腸右側に直線状の高吸収域像を確認した。以上より異物による大腸穿孔の診断で緊急手術施行。直腸S状部の前壁右側より爪楊枝が露出していた。直腸S状部切除,S状結腸単孔式人工肛門造設術施行。症例2は75歳,男性。下腹部痛を自覚し,近医受診。汎発性腹膜炎の診断で当院に搬送。腹部全体に圧痛,筋性防御を認めた。腹部CT検査でS状結腸壁肥厚および内部に弧状の高吸収域像を確認した。魚骨によるS状結腸穿孔の診断で緊急手術施行。S状結腸より魚骨が飛び出していた。S状結腸部分切除,下行結腸単孔式人工肛門造設術施行。今回,術前CTで診断可能であった異物による大腸穿孔の2例を経験したので報告する。

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© 2013 日本腹部救急医学会
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