2009 年 51 巻 2 号 p. 151-162
本講座は情報処理工学の分野で幅広く使われている自己組織化マップ(Self-Organizing Maps)法の概念の紹介を行う。SOM法は多成分変数からなるデータセットを解析する方法である。2つのSOM適用例が示されている。1つは、福岡市水道局が行った水に関するアンケート調査への適用である。もう1つは、非線形項を1つ含む3変数常微分方程式であるレスラー方程式のパラメータ感度解析への適用である。多成分の変数が異なる特性に応じて2次元のマップに視覚的に分類されることが示されている。