地下水学会誌
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50周年特集号
熊本地域における地下水管理行政の現状について
小嶋 一誠
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2010 年 52 巻 1 号 p. 49-64

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抄録

熊本県は、清冽で美味しい地下水を涵養している県として知られている。水資源としては、県内に球磨川を初め多くの河川があり、又、水前寺江津湖湧水群など千箇所を超える湧水源を有する。一方で、豊かな水環境の中で、水資源の多くを地下水に依存してきた。水量・水質に関する課題が顕在化する中で、熊本県では、「水循環」という視点から地下水の水量と水質を総合的に管理することにより、将来に亘って持続的に地下水を活用しようとしている。特に熊本地域では、1996年3月に熊本県と熊本市など16市町村により第一次熊本地域地下水総合保全管理計画とそれを引き継ぐ第二次熊本地域地下水総合保全管理計画を2008年9月に策定して、地下水涵養や採取量抑制、さらには、地下水質悪化等に対する様々な施策を行ってきた。この論文では、第一次および第二次熊本地域地下水総合保全管理計画を中心に報告する。

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© 2010 公益社団法人 日本地下水学会
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