地下水学会誌
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地下水中の硝酸態窒素除去への木質チップ材の利用に関するカラム実験
佐竹 駿一唐 常源
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2016 年 58 巻 2 号 p. 183-194

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抄録

地下水中の硝酸態窒素除去における浄化資材として,再生可能な木質チップ材の利用を想定したカラム実験を行い,カラム内の水質環境とチップ材の除去効率を検討した。その結果,チップ材は地下水中のDOを速やかに低下させ,脱窒環境を形成していることが明らかとなった。NO3-N,NO2-N,HCO3濃度変化の比較より,硝酸態窒素は主に脱窒反応により除去されていると考えられた。除去率は粒状加工したマテバシイと竹チップ材がそれぞれ21%,56%,そして加工しない竹粉で73%となった。また,竹チップ材ではリンを添加した場合に除去率が上昇したことから,地下水中の硝酸態窒素除去にはリン酸態リンが重要な要素であることが示唆された。

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© 2016 公益社団法人 日本地下水学会
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