近年.新たな環境保全のキーワードとして水循環が.国・地方自治体等で議論されている.水循環を扱う場合.そのモデル化や定量化が必要となるが.水文地質特性を考慮せずに水循環の水収支をモデル化できるタンクモデル解析が実施される場合が多い.しかし.水循環の場である水文地質特性を把握しなければ.水循環の本質的な議論は難しいのではないかと考える.
本論では.検討地域の地下水域の広がりや水文地質特性を十分に把握し.地下水の涵養.貯留.流動量が最も少なくなる渇水期において.水循環を定常地下水浸透流解析によりモデル化できれば.水循環に関連した検討へ地下水浸透流解析を適用することが可能と考えられることを述べた.