日本看護科学会誌
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研究報告
終末期の過ごし方の意思決定における悪性グリオーマ患者・家族への看護方略
津村 明美山崎 あけみ上別府 圭子
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2010 年 30 巻 4 号 p. 4_27-4_35

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抄録

目的:本研究は,悪性グリオーマ患者・家族が終末期の過ごし方を意思決定するための看護方略を明らかにすることを目的とした.
方法:悪性グリオーマ患者に関わる医療者30名(看護師27名・医師3名)を対象に半構造化面接を実施し,Grounded Theory Approachにおける継続比較分析法を用いて分析した.
結果:再発後から昏睡状態に陥るまでの「治療方針の立て直しにおける看護」の時期に看護師が用いている,〈医療者間で統一した意見を提示する〉〈情緒的なつながりを支持する〉〈療養場所移行後の生活のイメージ化を促進する〉〈療養場所移行後の生活の難しさを軽減する〉〈決定を後押しする〉の5つの看護方略が抽出された.看護方略の用い方は《患者・家族の現状認識の査定》によって変わることが明らかになった.
結論:看護師は,意思決定の主体は患者・家族であるということを常に尊重し,5つの看護方略を用いて支援していくことが重要である.

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© 2010 公益社団法人 日本看護科学学会
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