日本看護科学会誌
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原著
要支援高齢者の主観的健康感の関連要因
長谷川 直人佐藤 和佳子
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2011 年 31 巻 2 号 p. 2_13-2_23

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抄録

目的:要支援高齢者の主観的健康感の関連要因を,要支援高齢者全体,および前期・後期・超高齢者の各群について明らかにする.
方法:居宅要支援高齢者1,732名に対し,郵送法でアンケート調査を実施した.単変量解析にて主観的健康感の関連要因を確認した後,多重ロジスティック回帰分析(変数増加法:尤度比)を行った.
結果:アンケート票は1,085通(63.1%)を回収し,1,046通(有効回答率96.4%)を分析対象とした.分析の結果,要支援高齢者の主観的健康感が低い要因として,「年齢層が若い」「経済状況が心配である」「認知症高齢者の日常生活自立度が自立」「現病歴数が多い」「自覚している身体機能の低下と症状数が多い」「睡眠による休息が取れていない」「うつ予防の支援が必要」「外出が週1回以下」が検出された.また,年齢層別の分析では,群により異なったリスク要因が示された.
結論:主観的健康感の向上には,要支援高齢者の経済状況の負担を軽減すること,生活習慣病やうつ等の発症進展を予防し症状を適切に管理すること,睡眠の満足感を高めること,外出頻度を増やすことが必要である.また,年齢層別の特徴に応じた支援方策が必要である.

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© 2011 公益社団法人 日本看護科学学会
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