2014 年 34 巻 1 号 p. 150-159
目的:訪問看護師における重症心身障害児の遊びの実践に対する認識を明らかにし,訪問看護師の遊びの実践に関する示唆を得る.
方法:医療的ケアの必要な重症心身障害児の訪問看護で遊びの実践経験がある訪問看護師10名に遊びに対する認識や実践状況について半構成的面接を行った.データは,質的帰納的に分析した.
結果と結論:訪問看護師は重症心身障害児との遊びを,『訪問看護師と子ども,母親とのつながりづくり』であると認識していた.訪問看護師の【遊びは子どもの全て】であるという思いが遊びの拠り所となっていた.訪問看護師は,子どもの《心と身体に働きかける遊び》と《子どものサインの読み取り》をしながら【遊びの選択と調整】を繰り返していた.訪問看護師は,遊びを通して子どもの自発性を引き出し,子どもが表出するサインの読み取り,さらに母親とのつながり作りに発展させていくことが重要であるといえる.