本研究は廃棄物埋立地盤中に含まれる軟プラスチックの連続または不連続な処分状況が,斜面安定性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする.傾斜した地山上に堆積した廃棄物埋立地盤を大型土槽内に再現し,軟プラスチックが充填試料の全体に混在し,連続的に存在する廃棄物連続ケースと,充填試料中央に軟プラスチックの不連続面を設けた廃棄物不連続ケースの比較実験を行った.その結果,両ケースの壁面での側圧分布は大きく異なり,可動壁の移動に伴う側方応力の開放時には,廃棄物連続ケースは安定した状態を保持したのに対し,廃棄物不連続ケースでは変形が収束しなかった.充填試料に含まれる軟プラスチックが,連続的に存在することで引張応力が水平方向に伝達され,充填試料全体のより大きな補強効果を発揮すると考えられる.