日本耳鼻咽喉科学会会報
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原著
若年性鼻咽腔血管線維腫
—翼突管への進展の評価—
西池 季隆識名 崇前田 秀典日尾 祥子猪原 秀典
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2012 年 115 巻 11 号 p. 965-970

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抄録

過去3年間にわれわれはJNA手術例を3例経験した. 術前の画像診断では, すべての腫瘍は蝶口蓋孔付近に存在したが, 同時にその翼突管方向への進展と同部の拡大を認めた. 全例で手術に先立ち選択的動脈塞栓療法を行っているが, 1例では内頸動脈系の栄養血管の塞栓は困難であった. 全例で鼻内内視鏡下切除術を行った. 2例は内視鏡単独で切除したが, 残りの1例は犬歯窩切開の併用が必要であった. 術中には内頸動脈系の血管からの出血に対処する必要があり, それには二人の術者による4手操作が有用であった. 中鼻甲介下部の切除により, その後方に存在する翼突管や蝶口蓋孔付近の操作が容易になった. 鼻内内視鏡手術は, ステージ早期のJNAに対する手術の第一選択として挙げられる.

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© 2012 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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