日本食生活学会誌
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乳清発酵産物の栄養学的価値およびコレステロール代謝への影響
田中 みのり鹿間 ルミ石橋 源次本多 英敏小笠原 正良榊原 隆三
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2004 年 14 巻 4 号 p. 323-327

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抄録

PS-H1は乳清を栄養源として, Lactobacillus属, Bifitbacterium属, Lactococcus属, Leuconostoc属, Saccharomyces属等の菌種を用い混合培養後, 遠心分離して得られた上清液である. 本実験は, この液を凍結乾燥した粉末PS-H1を飼料に1%添加し, ラットに対する栄養的効果およびコレステロール代謝に及ぼす影響を検討した.
血清コレステロール濃度の上昇は高コレステロール食に粉末PS-H1を飼料に1%添加した場合, 抑制されたが, 肝臓の脂質濃度に対して影響を及ぼさなかった. また, 粉末PS-H1は血清たんぱく質, IgG, IgA, 肝臓たんぱく量濃度および肝臓のGOTとGPTを増加させており, 栄養状態の増進や免疫力に影響を及ぼす可能性があることが分かった.このことは, 肝臓におけるたんぱく質合成を促進させる成分の存在を示唆するものであり, その有効成分としてアミノ・ペプチド態窒素の可能性が考えられた

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