日本消化器外科学会雑誌

　外科医を取り巻く労働環境について，平成24年に本学会を含む外科系関連学会による合同アンケート調査を実施した．回答者のうち，消化器外科医は5,416名で，全回答者の65.1%と大多数を占め，長時間労働の実態を分析するに足る集団構成と考えられた．解析の結果，1週間の労働時間が55時間を越える消化器外科医師は74.5%と高率で，消化器以外の外科医の72.4%に比し高率であった．また，この割合は，大学病院や公的病院，病床規模の大きい病院，外科病床数の多い病院で特に高かった．勤務時間短縮の方策についてのアンケート回答では，医療事務支援の充実が最多で，化学療法・終末期医療などを他科へ依頼すること，メディカルスタッフ（看護師，薬剤師，技師）の支援充実などが続いた．以上より，消化器外科医療を魅力的なものにし，多くの若手医師が消化器外科に参入できるよう，これらの回答に基づいた提言を行った．

すべてのおすすめ記事を見る

2024 年 57 巻 3 号

編集後記徳永正則
術前診断し腹腔鏡下に整復したS状結腸間膜窩ヘルニアの1例千葉小夜, 猪瀬悟史, 田中保平, 利府数馬, 田原真紀子, 栗原克己
Stage IV大腸癌の診療実態と予後益子隆太郎, 本多通孝, 河村英恭, 外舘幸敏, 宮川哲平, 中尾詠一, 俊山聖史, 山本竜也, 髙野祥直
膵体尾部脂肪置換を伴う多発神経内分泌腫瘍に対して残膵非再建の膵頭十二指腸切除を施行した1例石原慶, 吉野潤, 塚原啓司, 井垣尊弘, 小郷泰一, 加藤俊介, 長野裕人, 井ノ口幹人, 櫻井うらら, 入江工

最新号のすべての記事を見る

月間アクセス数ランキング (2024年03月)

1

閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対する新しい非観血的整復手技

公開日: 2022/01/28 | 55 巻 1 号 p. 1-9

上畑恭平, 長久吉雄, 外川雄輝, 武藤純, 橋田和樹, 横田満, 山口和盛, 岡部道雄, 北川裕久, 河本和幸
2

保存的治療が可能な門脈ガス血症の臨床的特徴

公開日: 2016/08/18 | 49 巻 8 号 p. 707-713

吉田真也, 石井隆道, 小寺澤康文, 松浦正徒, 長井和之, 姜貴嗣, 伊丹淳, 橋本公夫, 京極高久
3

憩室炎との鑑別が困難であった4型大腸癌（inflammatory type）の1例

公開日: 2015/09/15 | 48 巻 9 号 p. 789-797

眞鍋恵理子, 進士誠一, 小泉岐博, 菅隼人, 山田岳史, 高田英志, 松田陽子, 内藤善哉, 内田英二
4

癌終末期消化管閉塞に対するオクトレオチドの有用性

公開日: 2011/06/08 | 40 巻 4 号 p. 522-527

戸倉夏木, 金子弘真, 伊藤正朗, 名波竜規, 本田亮一, 渡邊正志, 寺本龍生
5

血清CA19-9値が異常高値を示した胆嚢炎の1例

公開日: 2011/06/08 | 40 巻 4 号 p. 438-443

明石諭, 山本雅敏, 細井孝純, 堤雅弘, 今川敦史

過去の巻号を選ぶ

お気に入り & アラート

J-STAGEへの登録はこちら（無料）