2010 年 36 巻 4 号 p. 456-460
高リスクヒトパピローマウイルス(HPV)16型,18型は,子宮頸癌やその他の悪性腫瘍の原因であることが分かり,最近の遺伝子工学の発達でHPV関連子宮頸癌を予防するワクチンが開発された。頭頸部領域において口腔内HPV感染は,oral sexによっておこりHPV関連中咽頭癌の明らかなリスクファクターになっていることが明らかになった。HPVワクチンの普及で子宮頸癌の減少だけでなく,中咽頭癌も減少するのと期待されている。本稿ではHPVとHPVワクチン接種の状況,男性への接種について最近の知見を述べる。