2000 年 26 巻 3 号 p. 519-524
頭頸部がん患者の術後機能の回復には, 通常義歯が用いられるが, この義歯の代わりあるいは義歯の安定のために顎骨内インプラントを応用することで, よりすぐれた術後機能の回復を計ることが可能となる。しかし, 頭頸部がん患者の場合, 顎骨が切除されたり骨移植が行われたりし, 決して顎骨内インプラントが行いやすい環境ではない。このような患者の場合, X線CTの再構成画像を応用することにより, フィクスチャー埋入部位の決定や顎骨形態の正確な把握することが可能となり, また, 専用のソフトウエアを用いることでフィクスチャー埋入のシミュレーションを行うことも可能となる。このように, X線CTを用いることで, 顎骨内インプラントを埋入するために顎骨形態の把握が正確に行えることが示唆された。