2009 年 50 巻 2 号 p. 109-115
栄養サポートチーム(nutrition support team: NST)で対象となった患者の摂食・嚥下機能を評価するため,原疾患,主科,年齢構成,栄養の投与経路,対象全体と原疾患別の摂食・嚥下機能の障害の程度について調査した.全入院患者をスクリーニングし,栄養障害と判定された66例を対象とした.対象の86%が65歳以上の高齢者であった.原疾患では神経・筋疾患が29%と最も多かった.経口栄養法は40%で,代替栄養は60%で施行されていた.対象の66%に誤嚥が認められ,42%は経口摂取が行われておらず,摂食・嚥下機能は重度に障害されている結果となった.神経・筋疾患,呼吸器疾患の摂食・嚥下機能は他の疾患と比較し,より重度に障害されていた.NSTの対象となった患者に,安全に経口栄養法を実施するためには,個々の患者の摂食・嚥下機能を評価する必要がある.