音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
ISSN-L : 0030-2813
特集<声の分析と臨床>
音声外科における発声機能検査の意義と可能性
牧山 清平井 良治矢田 修一郎児玉 ひとみ
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 50 巻 2 号 p. 124-130

詳細
抄録

発声機能検査は, 声が出にくい, 大きな声が出ない, 声を出すと疲れるなどの発声障害症状を客観的に評価する検査である. 気流阻止法による空気力学的発声機能検査では, 基本周波数, 音圧, 呼気流率に加えて呼気圧を同時測定することができる. 呼気流率に対する呼気圧の値は発声時の気道抵抗を表し, 声門抵抗と一定の関係にある. 音声改善手術を行うことで喉頭での空気力学的動態が改善し, 各パラメータ値も健常域に復帰する. 発声機能検査は, 音声障害患者の重症度判定, 経過観察, 治療効果判定などにきわめて有用な検査である. 臨床応用を目指して研究中である高速ビデオ撮影検査では, 1/2000秒の精度で声帯振動評価が可能である. 現在までに検討した画像解析法, すなわち声門面積波形解析, 声帯振幅解析, 声門開口部解析などについて紹介する.

著者関連情報
© 2009 日本音声言語医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top