音声言語医学
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症例
金沢方式による言語指導を受けた聴覚障害幼児4例の格助詞の獲得
橋本 かほる能登谷 晶子原田 浩美伊藤 真人吉崎 智一
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2012 年 53 巻 4 号 p. 336-340

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抄録

0歳代から金沢方式(文字-音声法)で言語訓練中の聴覚障害幼児4例を対象に,日本語対応手話に指文字または手話による助詞が挿入された文に含まれる格助詞の出現時期について検討した.(1)格助詞の初出年齢は1歳11ヵ月~2歳2ヵ月で,健聴児の時期とほぼ同時期であった.(2)4例ともに共通して初出した格助詞は「を」であった.(3)聴覚障害児であっても,幼児期早期より日本語の文構造に沿った日本語対応手話よる単語(助詞は指文字または手話)を用いることにより,健聴児の助詞の発達にそった理解・表出が可能であることが示唆された.

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© 2012 日本音声言語医学会
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