2014 年 55 巻 4 号 p. 299-304
日本音声言語医学会音声情報委員会で新たに改訳した推奨版Voice-Related Quality of Life(V-RQOL)の信頼性と妥当性を検証した.対象は音声情報委員会委員が所属する全国8施設の音声障害患者173名と健常成人105名とし,推奨版V-RQOLを実施した.V-RQOLのCronbachα係数は0.942であった.V-RQOL日本語推奨版について信頼性と妥当性を検証したが,どちらも内的一貫性は高く,信頼性は高いと考えられた.また,音声障害の有無によってV-RQOL総得点で有意な差を認めた.GスコアとV-RQOLに相関があった.MPTにおいて10秒以下と11秒以上では有意な差を認めた.これらのことからV-RQOL日本語推奨版は音声障害の程度を反映すると考えられた.