超音波医学
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早期公開論文
早期公開論文の5件中1~5を表示しています
  • 田中 雄也, 池ノ上 学, 長谷川 慶太, 大谷 利光, 春日 義史, 田中 守
    論文ID: JJMU.A.252
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/04/15
    ジャーナル 認証あり 早期公開
  • 田村 淳史, 杉本 美夕, 嘉祥 敬国, 奥山 雄介, 松岡 俊三, 青木 昭和
    論文ID: JJMU.A.250
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/03/29
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    先天性三心房心(cor triatriatum:CT)は,先天性心疾患の0.1~0.4%を占める稀な疾患である.心房の異常隔壁により心房が二分され様々な症状を呈する.心房細動(atrial fibrillation:AF)は約30%の患者に合併するとされる.今回我々は,AFに対するカテーテルアブレーションの術前検査として施行した経食道心エコー図検査(trans-esophageal echocardiography:TEE)で,先天性左房性三心房心(CT sinister:CTS)を認めた症例を経験した.CTSには,部分肺静脈灌流異常や心房中隔欠損を合併することがある.また,異常隔壁がカテーテルの通過障害の原因となりうるため,術前精査を詳細に行った.先天性心疾患の合併は認めず,隔壁は心房中隔のやや僧帽弁側に付着し,全ての肺静脈が副腔に還流していたことから拡大肺静脈隔離術(extensive encircling pulmonary vein isolation:EEPVI)を実施可能と判断した.心房中隔穿刺時に心腔内エコーを用いて副腔側を選択的に穿刺し,EEPVIを安全に施行できた.AFを合併したCTS患者に対し,術前にTEEを中心とした様々なモダリティを用いて左房形態や合併奇形を精査し,安全な治療を計画することは重要である.

  • 山口 匡
    論文ID: JJMU.R.245
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/03/12
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    超音波診断は古くから広い臨床領域で応用されているが,生体中の実際の波動伝搬を物理的情報として取得するためのハードウェア的な制限があり,描画されるエコー像には生体組織の複雑性も影響を与えることから,理論的な考えと診断指標との間に乖離が生じてしまうことがある.その問題を打開するために,定量超音波や組織性状診断の研究が推進され,近年では複数の技術が実用化されている.また,超音波と他の医用画像モダリティを融合する技術の実用も進んでおり,今後はマルチモダリティでの診断および治療支援技術の活性化が進むと想定される.

  • 佐藤 智幸
    論文ID: JJMU.R.247
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/03/11
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    小児では,先天性心疾患の評価として心エコーが多く施行される.しかし,成人と同様の評価法では診断エラーや見落としにつながることがあり,ピットフォールに陥らないための小児心エコーの知識を身に付けることが重要である.本稿では,1)小児心エコーの適応,2)小児心エコーの実際,3)ピットフォールを生じやすい代表的な心エコー所見について解説する.1)では,心雑音が小児心エコーの適応として頻度が高く,心雑音の性状や部位から原因となりうる心疾患を想定して心エコーに臨むことが重要である.2)については,小児では先天性心疾患を評価することが多く,標準的な心エコー断面で意図した画像を描出できるとは限らない.そのため,まずは区分診断法により心構造を確認することが必要となる.小児では心窩部断面から心臓全体を観察することが容易であり,さらに画像を上下反転してプローブを腹側から頭側へスイープすることで,解剖学的な上下左右の位置関係と体静脈‐心房‐心室‐大血管のつながりを評価することができる.3)ピットフォールを生じやすい心エコー所見の代表例として,心室中隔欠損に伴う左室‐右房交通と三尖弁逆流,多孔性心室中隔欠損,心房中隔欠損の過大評価・誤認,修正大血管転位における左室と右室の位置があり,これらの注意点を解説する.小児の心エコーはバリエーションが多く,本稿のみではピットフォールに陥らないための知識は必ずしも十分ではない.エコー所見の判断が難しい時は記録した画像を,専門医や経験の多いエコー技師に一つ一つ確認していくことが,ピットフォールに陥らないために最も大切なことである.

  • 島 宏彰, 近藤 裕太, 里見 蕗乃, 九冨 五郎, 竹政 伊知朗
    論文ID: JJMU.R.246
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/03/08
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    この項では乳癌診療の中で乳癌の診断と手術までの精査,手術直前の広がり診断に関して検査の流れについて解説する.そして,超音波検査の位置づけと,とくに造影超音波について取り上げる.造影超音波で用いる第2世代超音波造影剤ソナゾイドは,CTや乳房MRI検査の水溶性造影剤と異なり血管外へ漏出しない純粋な血管内造影剤であることが知られる.したがって,詳細な血流情報が得られることが期待され実地臨床にも応用されている.一般的に組織学的な乳癌の確定診断がなされた後,マンモグラフィ,超音波検査(エラストグラフィ,カラードプラ),乳房MRI検査の結果から総合的な広がり診断を行っていく.この過程で見つかった病変に対してはSecond-look USがなされ,個別に質的診断がなされる.これらをもとに総合的に評価して選択可能な術式を決定する.術式決定もさることながら部分切除を選択した場合は切除範囲決定のうえで,広がり診断が重要となる.各モダリティの意義に触れながら,造影超音波がどのような位置づけとなっているのか,どのような意義があるのかについて解説する.最後に実際の症例から具体的にどのような流れで手術に至るのかについても触れたい.

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