2016 年 65 巻 1 号 p. 31-35
2014年の繁殖期に秩父地方の森林でヨタカCaprimulgus indicusのさえずり頻度の季節変化を記録した.ヨタカのさえずり頻度は日没直後と日出直前で差がみられず,5月中旬から6月中旬と7月中旬から8月上旬が高く,2山型になる傾向にあり,ヨタカのさえずり頻度はつがい形成期と抱卵期から育雛初期にかけて高いと考えられた.直接観察が難しいヨタカの抱卵や育雛の時期を知るのは困難なので,ヨタカの生息状況を録音調査で把握する場合,つがい形成期にあたる渡来後1ヵ月程度の期間に行うのが望ましいと思われる.