1993年1月から2002年4月までに小児科心療外来を受診した患者691名のうち発達障害を有するもの70名について,受診時すでに発達障害の診断がなされていたものと受診によって初めて発達障害の診断がなされたものに分類し,それぞれの特徴について障害別に検討した.受診後初めて診断されたものには,アスペルガー障害,特定不能の広汎性発達障害,注意欠陥多動性障害が多く,受診持すでに診断がなされていたものに比べ反応性の身体症状が多くみられた.また,背景にある発達障害に気づかれていないため適切な対応がなされず,それが症状を悪化させる悪循環をきたしていた.心身症や不適応行動を主訴に受診した小児については,発達障害の可能性を念頭に置くことが重要であると考えられた.