2014 年 26 巻 2 号 p. 242-244
日本人小児のCKD の原因として,遺伝性腎疾患は極めて重要であるが,その病因・病態は未だに不明な点が多く,遺伝子診断体制も整備されておらず,有効な治療法もないのが現状である。遺伝性腎疾患診療における遺伝学的アプローチは,確定診断や遺伝相談の重要な情報を提供するだけでなく,病態解明や治療法の選択にも関わる重要なものである。本稿では先天性腎尿路奇形を中心として,最新のテクノロジーも含めた遺伝学的アプローチの方法や実施上での注意点などの実例を紹介するとともに,平成24 年度より発足した「腎・泌尿器系の希少難治性疾患群に関する調査研究」班の現状についても概説する。