日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
巨大鼻尖部腫瘍のためマスク換気および挿管困難が予測された1例
下坂 典立橋本 学高地 明渋谷 鉱
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2004 年 24 巻 10 号 p. 604-607

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抄録

巨大鼻尖部腫瘍のため麻酔導入時のマスク換気および挿管困難が予測された症例の全身麻酔を経験した. 70歳, 男性. 身長170cm, 体重50kg. 腎癌の鼻尖部転移に対し, 全身麻酔下鼻尖部腫瘍摘出術が予定された. 9.6×7.2×8.0cmの巨大腫瘍のため, マスク換気, 挿管困難が予測された. プロポフォール, フェンタニルを用いて鎮静を行い, 挿管用ラリンジアルマスクを挿入し, 換気が可能なことを確認した後, 気管支ファイバーガイド下に気管挿管を行った. 挿管操作時の腫瘍への接触を防止するため, 挿管用ラリンジアルマスクのハンドルの角度を調整した. 麻酔維持は酸素, 亜酸化窒素, プロポフォールで行い, 手術・麻酔は問題なく終了した.

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© 2004 日本臨床麻酔学会
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