2005 年 25 巻 4 号 p. 338-342
80歳以上の開腹手術症例を予定群 (35例) と緊急群 (18例) に分けて, 術前, 術中, 術後合併症について後ろ向きに調べ, 比較検討した. 術前, 緊急群2例でショックのためノルエピネフリンを投与し, ほかの2例では播種性血管内凝固を合併していた. 術中P/F比が200mmHg未満であった緊急群7例中5例では, 術後もその状態が回復せず, 予後が悪かった. 高齢者の術後の合併症を減らすためには, 術前, 術中, 術後の全身状態の厳密な管理が重要である.