日本臨床麻酔学会誌
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—日本臨床麻酔学会第26回大会 シンポジウム—帯状疱疹の予防と治療はどこまで進んでいるのか?
急性期の帯状疱疹の治療
眞鍋 治彦久米 克介加藤 治子前原 大平田 顕士
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2008 年 28 巻 1 号 p. 2-11

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抄録

  帯状疱疹罹患例のなかで, 高齢者, 重症皮疹, 急性期高度疼痛, 皮疹出現に先行して疼痛を認める例は, 長期間疱疹痛が持続し帯状疱疹後神経痛に移行しやすい. このような患者では, アシクロビルやバラシクロビルなどの抗ウイルス薬を適切に用いるとともに, 発症早期より, 繰り返し神経ブロックを行うか, あるいは硬膜外腔に局所麻酔薬を連続的に注入するなど十分な鎮痛処置を行い, 疱疹痛が軽減・除去された状態を保つ必要がある. また, 神経ブロック適応外例では, リドカインの点滴静注を繰り返す. これらの方法は, 帯状疱疹による疼痛刺激の持続がもたらす末梢や中枢の感作・機能異常の発生を防ぎ, 帯状疱疹後神経痛への移行阻止に役立つと考えられる.

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© 2008 日本臨床麻酔学会
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