日本臨床麻酔学会誌
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周術期の危険な不整脈診断のポイントと抗不整脈薬の上手な使い方 (第1回)
周術期によく遭遇する不整脈と抗不整脈薬の使い方(2)徐脈
笹川 智貴
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2012 年 32 巻 3 号 p. 468-473

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抄録

  徐脈は日常の臨床で遭遇する機会の多い不整脈の一つであり,麻酔科医として日々適切な対応が求められる.麻酔薬の影響により麻酔中は徐脈となる傾向が強く,どの時点から治療を開始すべきかの判断は難しいが,低心拍出量を示す徴候を見たらすぐに治療を開始する.洞不全症候群と房室ブロックは徐脈をきたす原疾患としてペースメーカーの適応を含めて知る必要がある.特に,徐脈と関連した臨床症状の有無が治療の必要性を考える上で重要である.術前からの臨床症状を把握し,術中新たに発生した徐脈に対しては漫然と薬剤の投与,ペースメーカーの導入のみにならないよう,原因検索を徹底することが重要である.

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© 2012 日本臨床麻酔学会
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