2012 年 32 巻 4 号 p. 569-572
偽性コリンエステラーゼ欠損症患者に対する硬膜外麻酔併用全静脈麻酔を経験したので報告する.症例は70歳女性.胆管癌による胆嚢炎を繰り返し胆嚢摘出術が予定された.硬膜外麻酔を併用した全身麻酔を施行した.麻酔導入・維持はプロポフォールとレミフェンタニルを中心に,その他フェンタニル,ロクロニウム,スガマデクス,メピバカイン,ロピバカインを使用した.手術終了後,薬剤投与を中止すると,速やかに覚醒した.偽性コリンエステラーゼ欠損症患者で今回使用した薬剤では硬膜外麻酔併用全静脈麻酔は安全に施行できた.