主に食品関連事業者より発生する食品系バイオマスは,地域に広く薄く散在していることや,性状が不均一であるなどの理由によって利用が進んでいない。筆者等は,炭化による新しいリサイクルシステムを開発するため,まず食品系バイオマスの特性を調査した。食品系バイオマスは,食品関連事業者の業種および発生する季節にかかわらず,3つの主要な構成要素 (穀類,植物性残渣,動物性残渣) を85~95%の割合で含んでいた。これらの構成要素はいずれも,水分を多量に含み,乾重量あたりの可燃分が90%以上を示し,50%前後の炭素を含んでいた。各構成要素を500℃で炭化した結果,炭の収率は25~30%であり,固定炭素率は60~80%であった。炭化によって,各構成要素が含む炭素のうち30~55%を炭に固定することが可能であり,炭化が地表の二酸化炭素の削減に有効な手段となることが示唆された。