2015 年 26 巻 p. 1-15
リサイクルシステムは廃棄物処理としての機能と再生原料生産としての機能の両面をもち,廃棄物の排出量や再生原料の需要等,さまざまな条件に規定される。これらの条件の中には変動性をもつものがあり,リサイクル施設の処理能力の不足等,さまざまな変動リスクの要因となる。本稿では,プロセス制御やサプライチェーン管理に用いられてきた頑健性および柔軟性の考え方を応用することで,変動リスクに対する頑健性・柔軟性を考慮したリサイクルシステム設計のフレームワークを構築した。まず,リサイクルシステムの評価指標に求められる要件を検討した上で,頑健性と柔軟性の評価指標を定義した。また,頑健性・柔軟性の評価に基づく代替案の生成手法を提示した。構築したフレームワークを国内のペットボトルリサイクルのケーススタディに適用し,リサイクル技術ごとの施設能力といった要素の設計変更による代替システムの評価・生成を実践した。