気管支学
Online ISSN : 2186-0149
Print ISSN : 0287-2137
ISSN-L : 0287-2137
症例
繰り返す喀血に対して極細径気管支鏡で確認できた気管支動脈瘤の1例
鳥羽 博明先山 正二松本 大資河北 直也坪井 光弘梶浦 耕一郎川上 行奎滝沢 宏光近藤 和也丹黒 章
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 38 巻 5 号 p. 410-414

詳細
抄録

背景.気管支動脈瘤は喀血の原因になるが,特に小さな末梢病変では時に部位診断に難渋することがある.症例.84歳男性.5年前に喀血にて他院に救急搬送されたが,その際には原因は特定できなかった.3年7か月前に再喀血(2回目)があり,かかりつけ医を受診.CTにて右S2に区域性の浸潤影を認め,当科紹介.極細径気管支鏡を用いて観察したところ,右B2biiβに1 mm程度の表面平滑な拍動性の隆起性病変を認め,周囲に血餅が付着しており,気管支動脈瘤による喀血と診断した.2か月前に再喀血(3回目)あり.CTでは気管支動脈瘤を指摘できなかった.気管支動脈造影では動脈瘤を指摘することはできなかったが,右気管支動脈塞栓術を施行した.結論.自験例では6次分枝に位置するような1 mm大という非常に小さな病変であったが,極細径気管支鏡を用いたことで診断することができた.

著者関連情報
© 2016 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top