日本血栓止血学会誌
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原著
Hematology Analyzerを用いた血小板自然および惹起凝集塊検出法
―基礎的および臨床的検討―
清水 美衣小原 さおり山本 正博篠原 幸人
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2006 年 17 巻 2 号 p. 165-174

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抄録

血栓症患者の血小板機能亢進状態を把握するため, Hematology Analyzerを用いた簡便かつ迅速な血小板自然凝集塊検出法を考案した. Hematology Analyzerを用いて対象血液の白血球領域のスキャッタグラムを自動測定した結果, 健常者では血小板自然凝集塊がほとんど認められないが, 血小板惹起物質の添加により濃度依存的に凝集塊が出現した. 一方, 慢性期脳梗塞患者においては, 無刺激状態にもかかわらず約半数に血小板自然凝集塊を認めた. さらに, 非脳梗塞群では脳梗塞のリスクファクターおよび予知因子を持つ症例において血小板凝集塊が多数出現した. また, 本法と従来の血小板機能検査法を比較したところ, 血小板自然凝集塊検出法は1 μM ADP惹起(r=0.52)および1 μMエピネフィリン惹起(r=0.45)による血小板凝集能検査との間に相関が認められた. 本法は, 迅速かつ簡便に脳梗塞など血栓症患者の血小板活性化状態を把握し得る方法と考えられ, 易活性化状態にある患者の把握に有用であることが示唆された.

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© 2006 日本血栓止血学会
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