2017 年 67 巻 4 号 p. 179-184
研究開発や資金獲得における世界的な競争激化を背景に,国,研究機関,研究者個人等さまざまなレベルで,研究成果の定量的な評価が行われている。そのためにインパクトファクター,h-index,分野標準化した指標など多様なビブリオメトリックス指標が開発され,世界中で広く利用されている。一方,ICTの著しい発展により情報流通形態が大きく変化し,論文のダウンロード数やソーシャルメディアでの取り上げられ方等によって研究の影響度を指標化するオルトメトリックスへの注目と期待が高まっている。本稿では,いくつかのビブリオメトリックス指標と利用時の注意点を紹介した後,オルトメトリックスとその問題点について考察する。