自然言語処理
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A法に従うアジェンダ制御による構文解析
吉見 毅彦JIRI JELINEK西田 収田村 直之村上 温夫
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1996 年 3 巻 3 号 p. 69-82

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抄録

本稿では, 構文解析を探索問題と捉えた上で, A法の探索戦略に従ってチャート法のアジェンダを制御し, 最も適切な構文構造から順に必要なだけ生成する構文解析手法を提案する. 文脈自由文法形式の費用付き構文規則が与えられたとき, 規則に従って生成されうる各部分構造について, その構造に相当する現在状態からその構造を構成要素として持つ全体構造に相当する目標状態までの費用を, 構文解析に先立って, A法の最適性条件を満たすように推定しておく. 従って, 構文解析では, 競合する構造のうちその生成費用と推定費用の和が最も小さいものから優先的に処理していくと, 生成費用の最も小さい全体構造が必ず得られる. また, るので, 優先すべき構造をきめ細かく指定でき, 優先したい構造の変更も規則の費用を変更するだけで容易に行なえる. 費用付き構文規則は, 記述力の点で, 確率文脈自由文法規則の拡張とみなすことができる.

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