動詞を含む連体修飾表現を“
N1の
N2”という表現に言い換える手法を提案する. 動詞を含む連体修飾節は, 各文を短縮する既存の要約手法において, 削除対象とされている. ところが, 連体修飾節の削除によって, その名詞句の指示対象を同定することが困難になる場合がある. それを表現“
N1の
N2”に言い換えることで, 名詞句の意味を限定し, かつ, 字数を削減することが可能である. 言い換えは, 動詞を削除することによって行う. 表現“
N1の
N2”, では, 語N1とN2の意味関係を示す述語が省略されている場合がある. この省略されうる述語を, 削除可能な動詞として2種類の方法により定義した. 一方では, 表現“N1のN2”の意味構造に対応する動詞を, シソーラスを用いて選択した. また, 他方では, ある語から連想される動詞を定義した. ただし, コーパスから, 名詞とそれが係る動詞との対を抽出し, 共起頻度の高いものを, 名詞から動詞が連想可能であると考えた. これらの削除可能な動詞を用いた言い換えを評価したところ, 再現率63.8%, 適合率61.4%との結果を得た. さらに, 言い換え可能表現の絞り込みを行うことによって適合率は82.9%に改善することが可能であることを示す.
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