近年,OverleafやAuthoreaといったオンラインLaTeXエディターの登場が相次いでいる。これらは単なる論文執筆のためのツールではなく,研究者のライフサイクルにおいて現在大学図書館がカバーしきれていない論文執筆から投稿・出版のプロセスをサポートし,研究ワークフローのミッシングリンクを埋める可能性をもっている。従来のライティングツールの枠組みを超え,論文投稿プロセスを変革する可能性を秘めたこの「共同ライティングツール」は,学術情報流通にかかわる出版社・研究機関などにどのような影響を与えるのか。本稿では,共同ライティングツールにおける代表的なサービスOverleafに着目し,その概要,特徴的な機能そして導入事例の紹介を通じて,論文投稿プロセス変革の可能性や大学図書館における研究支援のあり方を展望する。