都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
壮年者人口移動における世代間バランスの影響
奥村 誠大窪 和明
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2012 年 47 巻 3 号 p. 751-756

詳細
抄録

これまで人口移動モデルの研究は、主として所得格差、就業機会などを用いて若年層の移動を説明してきた。近年では高齢化社会の到来を受け、高齢者の移動については医療施設をはじめとする住みやすさやアメニティーを説明要因とするモデルも作られてきた。本研究ではさらに、親子関係に基づく扶養・介護の必要性が子である壮年者の人口移動(Uターン移動)に影響をあたえていると考え、この親の扶養・介護の必要性を表すPCBI指標を提案した。さらに子世代が、どのタイミングでどのくらいの割合で親元へ移動するのかを人口移動モデルの作成を通じて把握することに取り組んだ。移動者の年齢が上がるにつれ、PCBI指標が子の人口移動に与える影響は強くなり、特に50-54歳、55-59歳の2階級において、PCBI指標が人口移動に強い影響を与えている事がわかった。また30代、40代であっても近年になるとPCBI指標が子世代の人口移動に影響を与えるようになったことが確認できた。

著者関連情報
© 2012 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top