日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
画像研究で広汎性発達障害の病態にどこまで迫り得るか?
猪股 誠司松本 英夫
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 21 巻 2 号 p. 83-89

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抄録

自閉症を対象とした脳の形態学的画像研究と機能的画像研究について概説した。脳の形態・容量に関しては,小脳や大脳の形態学的な異常に加えて,大脳容積の増加と発達早期における脳の過形成(hyperplasia),また脳内ネットワークの異常について紹介した。脳機能に関する所見については,“心の理論(theory of mind)”,“表情認知タスク”,“感情処理タスク”を基にした研究結果を紹介しながら,彼らの認知の障害と脳内の機能障害の領域などとの関係について述べた。脳の機能的ネットワ ークの減少は自閉症者の共通な特徴であることが証明されつつあり,さらなる機能の解明が期待されている点について述べた。

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© 2010 日本生物学的精神医学会
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