2003 年 2003 巻 727 号 p. 77-89
都市ごみ焼却灰, 飛灰および, 下水汚泥焼却灰など多種多様な灰分に対して, 熱重量示差熱分析を適用し, 高温下での試料の挙動を観察し, 溶融パターンを分類することを試みた. 41試料は示差熱曲線の形状より, 5パターンに分類された. また, 900~1450℃範囲の約1℃ごとの示差熱曲線のデータ (577データ) を特徴抽出することにより, 平均19データに圧縮することができた. 各分示差熱曲線類における示差熱曲線の代表パターンを決定するため, 採用すべき共通温度とその数を決定した. さらにパターン認識を用いた最適化により代表パターンを決定し, 示差熱曲線の判別モデルを作成した. 本モデルを未知試料に対して適用し, 簡便に示差熱曲線から溶融パターンが分類できることを明らかにした.