土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第43巻
食品を対象としたリスク認知への影響因子の評価
白井 浩介栗栖 聖花木 啓祐
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2015 年 71 巻 6 号 p. II_99-II_107

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抄録

 個人の多様性による食品に対する不安感の大きさの違いを検討するために,個人属性,生活習慣,パーソナリティ(個人特性)に着目し,不安感に影響を与える因子を評価した.食品の種類による違いについて検討するため,6産地4品目の全24種類を対象に,アンケート調査を行ない,16,650の回答を得た.また,個人特性を把握するため14の下位尺度を基本とする60問の設問を設けた.不安感は,中国産の食品で最も高く,途上国産,先進国産,福島県産と続いた.個人特性については9つの因子が抽出された.これらの変数を組み込んだ重回帰分析結果では,品目別では大きな差は見られず,産地により違いが見られた.全ての産地で最も標準偏回帰係数の大きかった変数は「産地確認の有無」であり,この他に,福島県産食品では「一般的信頼性」,中国産食品では「規律主義」といった個人特性の影響が大きいことが明らかとなった.

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