2013 年 69 巻 4 号 p. I_517-I_527
本研究は無補剛断面鋼製橋脚における延性き裂の発生に着目し,延性き裂の発生を簡易に照査できる手法の確立を目的としている.簡易手法の確立のため,構造パラメータを変動させて解析を行い,ひずみ集中補正係数βの再検討を行った.また,再検討した補正係数βを用いた新たな提案手法による予測延性き裂発生点と,shell解析により得られた予測延性き裂発生点を比較することにより,beam解析でshell解析の延性き裂の発生を精度良く近似できることを示した.また,実験と既往の照査法より得られた延性き裂発生点とも比較を行い,前報で提案した簡易照査法よりも精度良く延性き裂の発生を予測できることを確認した.