2014 年 70 巻 4 号 p. I_1078-I_1088
広域分散型社会を形成している地域では,道路は重要な交通・流通基盤であり,地震により橋梁構造物をはじめとする道路構造物が被災すると,被災者の避難や支援物資の輸送などの救援活動が妨げられるとともに,復旧や復興活動を阻害する要因となる.そのため,事前に地震による道路構造物の被害状況を広域に推定し,被害の軽減,二次被害の防止等を含めた適切な道路機能の事業継続計画を立案する必要がある.本研究では,その一例として,北海道の中心都市である札幌市周辺域を対象に,近傍で想定されている野幌丘陵断層帯による強震動評価を行い,道路橋梁構造物の被害推定を実施した.また,被害推定結果に基づき個別のルートに対して道路機能への影響度評価を行い,被害状況や道路機能を確保するための代替ルート選定等の評価を行った.