2014 年 70 巻 4 号 p. I_545-I_559
韓国では水不足の危惧から,農業用アースダムの嵩上げが活発化している.そのため,旧コアに継足される新コアの構造安定性およびそれが堤体の透水性,耐震性に及ぼす影響を把握し,継足コア構造の最適化を図ることが必要と考えられる.しかしながら,既存の継足コア構造は画一的であり,安定性評価は震度法に留まっているのが現状である.そこで本研究では,傾斜型コア嵩上げがなされた韓国の鶏龍貯水池をモデルとし,継足コア構造の規模に着目し,4種類のコアモデルに関する浸透流解析および動的解析を実施し,コア構造が浸潤線および新旧コア境界部のせん断応力に及ぼす影響を明らかにした.