2016 年 72 巻 4 号 p. I_700-I_707
近年,橋梁の長寿命化の検討が行われるようになってきた.高度経済成長期に建設された橋梁は耐用年数を迎え,架け替えや長寿命化の検討が行われている.石川県でも計画的かつ予防保全的維持管理に転換し,橋梁長寿命化を図っている.そのため橋梁定期点検が5年に1度の頻度で行われており,各部材ごとの健全度と橋の重要度によって各橋梁の優先度が記録されている.しかし石川県またはその周辺には森本富樫断層帯をはじめ多くの活断層が存在し,地震によって橋梁が被災する可能性が高く,地震リスクを考慮していない既存の橋梁補修優先度決定法では地震が発生した場合,莫大な損害を受けることが予想される.そこで本研究では定期点検結果を用いて地震リスクを考慮した補修優先度決定法を主成分分析を用いて提案する.