日本臨床免疫学会会誌
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総説
関節とmicroRNA
田中 陽子浅原 弘嗣
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2012 年 35 巻 6 号 p. 447-454

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抄録

  MicroRNA(miRNA)は生物の発生やガンをはじめとした様々な疾患に関与していることが明らかになってきている.タンパク質の遺伝子配列をもたないSmall RNAにRNA干渉という役割があることが明らかとなり,生体内ではタンパク質の遺伝子配列内外にコードされたmiRNAが遺伝子発現調節に大きな役割を担っていることが明らかにされてきた.いくつかあるSmall RNA群の中でもmiRNAはとりわけ注目され,生合成から機能,標的遺伝子の解析が進められ,miRNAを利用した核酸創薬が開発されている.関節リウマチ(RA, rheumatoid arthritis)や変形性関節症(OA, osteoarthritis)についてもmiRNAの疾患への関与に対して多くの研究が進められており,RAではmiRNA-146a, 155, OAでは軟骨の発生も含めmiR-140の研究が多く報告されている.本稿では現在RAまたはOAにおいてどのようなmiRNAについて解析が行われているかをまとめた.

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© 2012 日本臨床免疫学会
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