日本透析医学会雑誌
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短報
抗体陰性化を確認後にもかかわらず,ヘパリン再投与によりヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia: HIT)を再発した1例
田中 章仁伊藤 祐一杉山 弘高里崎 さつき山口 真志水 英明林 郁江並木 祥代
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2012 年 45 巻 6 号 p. 483-486

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抄録

80歳代男性.糖尿病性腎症による慢性腎不全のため,他院にてヘパリンを使用し血液透析導入となる.導入後,血小板は減少し,右大腿深部静脈血栓症を生じ,HIT抗体陽性のため,HITと診断された.アルガトロバン,ワーファリン使用の状態で安定したため,当施設に紹介となった.約1年半後,3か月以上にわたるHIT抗体の陰性化を確認後,ヘパリン再使用を試みた.しかし,血小板減少,回路内凝血,シャント閉塞を合併した.後に判明したHIT抗体価は再度上昇しており,HITが再度発症したと考えられた.

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© 2012 一般社団法人 日本透析医学会
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