2010 年 17 巻 3 号 p. 309-313
間質性肺炎の急性増悪においてエンドトキシン吸着(polymyxin B-immobilized fiber column hemoperfusion, PMX-DHP)療法の有無による臨床経過の違いを後ろ向きに検討した。対象は2005年12月~2008年5月にICUで治療した8例で,全例でステロイドパルス療法を行い,4例にPMX-DHPを併用していた(P群)。PMX-DHPはICU入室後できるだけ早期に開始し,1回4~6時間で2日間連続施行した。ICU入室時と48時間後のP/F比は,PMX-DHPを施行していなかった4例(N群)では78.8±25.6と115.7±90.8,P群では87.5±22.7と168±64.9であった。N群の1ヶ月生存率は50%,3ヶ月生存率は25%であったが,P群はそれぞれ100%,75%であった。N群では全例で気管挿管下に人工呼吸療法を行ったが,P群では1例で非侵襲的陽圧換気法を10時間行ったのみであった。