日本集中治療医学会雑誌
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総説
パルスオキシメータの原理
小坂 誠吉田 愛大江 克憲
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2016 年 23 巻 6 号 p. 625-631

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抄録

集中治療室の生体情報モニタとして,心電図とパルスオキシメータは必須である。心電図は心臓の電気的活動を示すが,パルスオキシメータは血管容積脈波(plethysmogram)から脈拍数およびSpO2を測定する。SpO2はSaO2と違い動脈血採血の必要がなく,非侵襲的である。SpO2は赤色光と赤外光を用いた吸収分光法(absorption spectroscopy)で測定するが,種々の測定障害がある。特に脈波の検出が難しい末梢低灌流と体動では,測定精度が低下する。これらへの対策はメーカーによって異なり,表示されたSpO2値の解釈には,測定原理への理解が必要である。またSpO2には透過型と反射型の測定形式があり,前額部で測定する反射型はショック・低体温時にも動脈の拍動が維持され,酸素飽和度の変化への反応時間も透過型より短い。よって,末梢低灌流や体動がある集中治療室の患者の測定には反射型が適している。

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© 2016 日本集中治療医学会
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