日本乳酸菌学会誌
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総説
乳酸菌による多能性細胞の創造
太田 訓正
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2014 年 25 巻 1 号 p. 13-17

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抄録

再生医療を科学的に支えている重要な分野として細胞の基礎研究が挙げられるが、その発展がなければ、今後の再生医療の展開を期待することは難しい。ヒトES 細胞やiPS 細胞などの多能性幹細胞の開発により、これらの細胞の臨床応用への道が見えてきたが、ES 細胞には倫理的問題や移植時の免疫拒絶反応が伴い、iPS 細胞においては将来の腫瘍形成への不安を完全には払拭できていない。私たちのグループは、ヒト皮膚細胞に乳酸菌を取り込ませることで、多能性細胞を創り出すことに成功した。本稿では、この発見に至った経緯と実際の研究データを紹介し、今後の研究展開について解説した。

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© 2014 日本乳酸菌学会
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