日本栄養・食糧学会誌
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マウスへのヨーグルトおよびケフィール投与が腫瘍の増殖に及ぼす影響
古川 徳松岡 昭善山中 良忠
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1990 年 43 巻 6 号 p. 450-453

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抄録

BDF1雌マウスの右腋窩部皮下に移植したLewis肺がん細胞の増殖と臓器に及ぼすヨーグルトおよびケフィールの経口投与の影響を検討した。
Lewis肺がん細胞を7.2×105/匹移植した1日後から9日間連続してケフィールの凍結乾燥物を2g/マウス体重kgずつ胃内に投与したマウスの移植部位の腫瘍重量は, 無処理の対照区のマウスに比べて有意に軽く, 62%の腫瘍増殖抑制率を示した。この腫瘍増殖抑制率は, 抗がん剤であるPSKを0.5g/マウス体重kgずつ投与した場合より高い値であった。また, 担がん状態に陥ることによって肥大化した脾臓はPSKの投与によって, 増加した白血球数はケフィールおよびPSKの投与によって, その肥大化と増加が抑制され, 対照区との間に有意の差が認められた。

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