日本小児アレルギー学会誌
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小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2008解説「ガイドラインをどう読むか」
第6章 小児気管支喘息の危険因子とその予防
荒川 浩一
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2009 年 23 巻 3 号 p. 315-320

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抄録

喘息の危険因子は発症因子と増悪因子に分けられる.個体因子は前者に,後者は通常は環境因子であるが,これら因子が発症と増悪に影響する際のメカニズムは複雑で相互作用的である.喘息の予防に関しては一次予防,二次予防および三次予防に分けられる.小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2008では,一次予防では喫煙からの回避を推奨しているが,二次予防における抗アレルギー薬や三次予防における吸入ステロイドを用いた早期治療介入に関して,その位置づけには今後のさらなる検討が必要であるとしている.一方,アレルゲンや非特異的増悪因子を減らすための環境整備の重要性は強調されている.個々の患者における喘息の発症・増悪に関わる危険因子を明らかにし,それらに対する対策を講じることが重要となる.

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© 2009 日本小児アレルギー学会
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